〈翁久允と没後50年 川崎順二・小谷契月〉展
・会場:高志の国文学館常設展示室内特別コレクション室 (富山県富山市舟橋南町)
・期間:2021年6月18日から12月中旬まで
・観覧料 常設展観覧料 200円
・趣旨 翁久允(1888~1973)は、現在の立山町出身の小説家・ジャーナリストです。18年の在米期間を経て、帰国後『週刊朝日』の編集に携わり、昭和11年、郷里富山で郷土文化誌『高志人』を創刊、主宰し、富山の文化を牽引しました。現在、高志の国文学館では、公益財団法人翁久允団の協力を得て、翁久允旧蔵資料の調査を行っています。今回は、その調査報告として、翁久允と、八尾「おわら風の盆」の発展に尽くし令和3年に没後50年を迎える川崎順二(1898~1971)、小谷契月 (1902~1971)との交友を伝える資料を紹介します。 近世から八尾の地で行われてきたおわら風の盆は、昭和4年、八尾の医師で私費を投じてその発展に尽くした川崎順二を中心に「越中八尾民謡おわら保存会」が発足したことによって、大きな転換点を迎えました。全国的に活躍する文人たちの協力を得て、新作の歌詞が数多く作られ、踊りは改良を経て洗練され、現在のかたちに整えられていきました。 こうした、近代におけるおわら風の盆の復興と発展は、川崎順二、民謡詩人の小谷契月、長谷川剣星、画家の林秋路らの活動と、彼らとの交友を通じて、富山県内外で活躍する多くの文人や経済人をはじめとした各界著名人を紹介し、八尾へ案内した翁久允の協力によって支えられたものでした。 今回の展示では、没後50年を迎える川崎順二と、翁久允の交友を中心に、小谷契月との関わりについてもふれながら、翁久允の手元に残された書簡や記録、また、八尾を訪れた文人たちの原稿などを紹介します。