2023年、翁久允(おきなきゅういん)が亡くなって半世紀。これを記念して、若い世代の読者が手軽に久允作品を読みたいという要望が寄せられ、誕生したのが〈翁久允叢書〉です。

 小説、戯曲、随想、郷土史、宗教論など幅広い著作活動を紹介していきます。

 最初の出版は、長篇小説『悪の日影』です。サンフランシスコの邦字新聞『日米』に翁六渓(おきなろっけい)の筆名で1915年6月から9月まで連載され、移民文学・移民地文芸の代表作として知られる作品です。この作品は翁久允の最晩年の仕事である『翁久允全集』では第一回配本として、1971年8月1日に出版されました。

 なお、カリフォルニア州のスタンフォード大学・フーヴァー研究所が運営する〈邦字新聞デジタル・コレクション〉では、海外の日系人による新聞の多くがWEB上に公開されており、『悪の日影』の初出はPDFで読むことができます。

 公益財団法人翁久允財団  須田 満

桂書房

悪の日影

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